やる気出ないの何故だろう?~脳内ホルモンが原因です~

こんにちは。ゆらりです。

やる事あるのはわかっている、わかっているけど身体が動かない…。

誰しも経験するでしょうが、発達さん(特にADHD傾向の方)は生活に支障をきたすレベルだと思います。

本当に、頭では動こうとしているのに、身体が動いてくれませんよね。

頭と身体が分離したような感じがします。

どうやらADHD傾向の方は、脳の中でドーパミンとノルアドレナリンが上手く働いていないみたいです。

やる気が出ない原因はこの物質の影響があるようです。

ドーパミンとノルアドレナリンは、人の気持ちや身体に深く影響を与える三大神経伝達物質の内の2つです(ちなみに、もう1つはセロトニンです)。

【三大】神経伝達物質の内の【2つ】が上手く働いてくれていないんです。

そりゃ生活大変です。

私は主治医から「寝ながら動いてる状態なんだよ」と言われました。

成る程。寝ていたら動かない方が自然です。

では、さっきから言ってる「ドーパミン」「ノルアドレナリン」の働きはどのようなものか?

まとめてみました。

身体が動かない私はダメ人間だ…と自己嫌悪をしてしまう方に特にお読みして頂きたいです。

あなたがダメではないのです。

ダメなのは、とっても大事なホルモンの量なんです。

はじめに~不足してる?過剰に出てる?~

少なくとも「最適な量は出ていない」とは言えると思います。ドーパミンは身体に必要な物質ですが

前頭前野が効率的に働くためには,ドーパミン量がある「最適レベル」にある必要があると考えられている。

渡邊正孝 前頭前野 脳科学辞典

とあります。

不足しても過剰であっても生活に支障をきたします。

不足している時に起こる事と、過剰に出ている時に起こる事を見て頂きたいのですが…

当事者の方の「あるある」じゃないですか???

「物質量を調節する頭のネジが壊れている」と表現出来ると思います。安定供給が出来てないようです。

さて、とにかく「最適量」で脳内ホルモン物質が回っていなさそう、と分かりました。次はこれらの役割を見ていきましょう。

ドーパミンの働き

気持ち良くなり、また「やりたい!」を引き起こす

ドーパミンが出ると気持ちが良くなります。

その時に感じた気持ち良さを記憶し、繰り返し得ようとする意欲が生まれます。

これが「やる気」です。自分が好きな事は積極的に出来ますね。

それはドーパミンの快感を頭が覚えているからです。

「他人の為なら頑張れる(自分の事は頑張れないけれど…)」というADHD傾向の方が時々いらっしゃると思います。

もしかしたら、過去の記憶が強烈なのかも知れないですね。

感謝されて嬉しい気持ちと共に、ドーパミンは出ていますから。

記憶と学習に関係している

快感の有無から、過去に経験した事を好きか嫌いで分けて覚えます。

そして、次の行動の判断材料にします。好きな事(ドーパミンが出て気持ち良くなる行為)を積極的にしたくなります。

好きな事の能力や技術は更に上がり、嫌いな事は中々やる気が起きず、苦手なままになりがちです。

これらの事から、ドーパミンは記憶と学習に深く関わりのあるホルモンと言えます。

ストレスを打ち消してくれる

快感からやる気を起こしてくれるドーパミンは、ストレスの不快感と正反対の関係です。

ストレスを打ち消してくれる働きがあります。

ストレスを感じた時にはストレスホルモンが分泌され、他のホルモンの分泌を抑える働きがあります。

このホルモンバランスの乱れによって、気持ちにも身体にも悪影響を与えます。

しかし、ドーパミンの効果によって、ストレスホルモンの悪影響を和らげる事が出来るようです。

運動機能に関係している

脳内でドーパミンは運動の抑制を、アセチルコリンという物質が運動の促進を担っています。

もしかしたらADHD傾向の方の「自分でもわからない衝動的なうっかり」は、運動の抑制が効いていないのかも知れないですね。

右手のゴミを捨てようとして、左手の大事なモノを捨ててしまった…みたいな経験ありませんか?(え?私だけ?)

その他の働き

その他にドーパミンは、集中力をあげる、疲れを感じにくくさせる働きがあります。

ドーパミンが過剰に出ると…

物事にのめり込む、依存症になりやすい

ドーパミンは、過去の経験を快感と共に記憶します。「またしたい!」という強烈な欲求を起こす作用があります。

その欲求が満たされないと強いストレスとなります。

そのストレスを解消する為、他の事を疎かにしても優先的に自分のしたい事をします。

これが度を過ぎると「依存症」にもなり得ます。

ドーパミンが不足すると…

やる気が出ない

興味があった事や好きだった事でさえ、ドーパミン自体が不足していると関心が薄れます。

何事にも無関心になります。

行動する気力も起きなくなります。

記憶しにくい、学びにくい

頑張ってドーパミンが不足をしている状態で行動したとしても、記憶の定着はしにくいです。

そもそもドーパミンが出ていないので、好き嫌いで分けて覚える事が難しいからです。

何回同じ作業をしても覚えられない、というのはドーパミン不足かも知れませんね。

ストレスに弱くなる

ドーパミンはストレスを打ち消してくれる性質があります。

不足しているとストレスホルモンに対抗出来ず心身に不調が出やすいです。

気分の上下が激しいのはドーパミンが影響しているかも知れません。

眠り過ぎる

ドーパミンには覚醒作用があります。睡眠には様々なホルモンが関わっていますが、ドーパミン不足が原因の1つかも知れません。

その他の不足した時に起こる事

その他、ドーパミンが不足すると集中力が無くなったり、疲れを感じやすくなります。

また、運動機能の調整もしているので、不足すると身体が思うように上手く動きません。

ノルアドレナリンの働き

交感神経に働きかけ、危険から身体を守る準備をする

そもそもノルアドレナリンは、自分の命を守る為に、生き物が危険を感じた時(つまりストレスを感じた時)に分泌される物質です。

危険な状態に対処する為に、脳が一気に覚醒します。注意力・集中力・判断力も上がります。

心拍数と血圧が上がって栄養と酸素を身体中にまわし、危険に対処する体制を整えます。

筋肉の機能もあがります。敵と戦う為です。

この時、栄養と酸素は脳と筋肉に集中するので消化器官の働きが抑えられます。

御手洗いに行っている場合では無いので排泄の働きも抑えられます。

沢山の事に注意を向ける為に瞳孔が開きます。

また、痛みの感覚が鈍くなります。少し身体が傷付いたからといって動きを止めていては敵と戦えないからです。

状況に慣れる、そしてストレスに耐えられるようになる

慣れない状況でストレスを感じ、ノルアドレナリンは分泌されます。しかし、その状況が危険では無い、とわかると、そのストレスに対して慣れていきます。

人前での発表が回数を重ねていく内に緊張しなくなるのは、ノルアドレナリンの効果です。

また、様々なストレスに慣れていくと、未知のストレスにも耐えられるようになります。

意欲、長期記憶、学習能力に関係している

はじめの方で書きましたが、ノルアドレナリンが分泌されると脳が覚醒され、注意力・集中力・判断力が上がっている状態になっています。やる気が出ていると言えます。

また、ストレスに慣れた状況を長期記憶に保存して、次に出会う同じような状況で過度なストレスが身体にかからないようにします。これは【学習する】という事ですね。

ノルアドレナリンが過剰に出ると…

怒りっぽくなる

ノルアドレナリンは交感神経を強く刺激する為、過剰に出るとイライラしたり、切れやすくなったり、興奮・緊張状態になります。

好きなスポーツを観戦している時の状態です。スポーツ観戦が趣味では無い方は、試合の展開をハラハラして見守ったり、大声を上げて選手を応援している方を想像してください。

一時的には誰にでもあります。しかし、この興奮・緊張状態が長く続くと(つまりストレスがかかり続けると)ノルアドレナリンが脳内で足りなくなり、様々な支障をきたします。

ノルアドレナリンが不足すると…

少しの事で凄く落ち込んだり、イライラしたり、気分が安定しなくなる

不足しているノルアドレナリンを効果的に使おうとして、身体がノルアドレナリンに対しての感度をあげます。

そうすると、ちょっとした事でも過剰に反応してしまい、気分のアップダウンが激しくなります。

朝起きれない、夜眠れない…睡眠に影響が出る

交感神経系を刺激するノルアドレナリンが不足すると、脳が覚醒されないので起きていてもボーっとします。

また、一旦寝ると覚醒しないまま寝すぎてしまう、なんて事も起きます。

注意力、集中力、判断力、意欲、学習能力が落ちる

脳が覚醒していないボーっとしている状態なので、注意力・集中力・判断力の全てが落ちます。

やる気も出る状態ではありませんし、何かを覚える態勢でもありません。

その他の不足した時に起こる事

交感神経系の関わりが深い為、低血圧や貧血、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。

終わりに

いかがでしたか?こんな大切なホルモン物質が脳の中で上手く働いていないかも知れないです。

ホルモン物質の働きを知って、自己嫌悪に浸らないで頂けたら幸いです。

参考

渡邊正孝 前頭前野 脳科学辞典 DOI:10.14931/bsd.1657 (2013)

快適Life https://www.human-sb.com/

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