薬局にて、下衆な願いを吐き捨てる  解毒が必要なのは()

倦怠感が酷過ぎて仕事にならなかった

忘れているのでは無く記憶が刻まれなかった

色んな事に注意が向いてしまい気が散り過ぎて、1つに集中出来なくてミスを連発していた

過呼吸になってパニック気味になったり、突如涙が流れて感情のコントロールが出来なくなっていた

薬を使い始めてから

倦怠感がわからなくなって、仕事が出来るようになった。疲れの感覚が麻痺して、時々身体の限界がきて倒れているけれど

いくらか記憶が刻まれるようになり、忘れていても思い出せるようになった。動悸と息切れの副作用が日常的に起こるけれど

注意の拡散度合いが減り、集中力が上がってミスが格段に減った。昔のように「アイデア」が思い浮かぶ回数も随分と減っているような気はするけど

過呼吸もパニックも感情のコントロール不能状態も激減した。自分の中の情動・感情・欲求が感じにくくなってわかりにくくなったような気がするけど

何が「効果」なのか「副作用」なのか、分ける事が叶わない

ただ、私は「今のベストな選択」と思って、薬を使っている

平日、仕事の定休日に精神科に通院して、その足で繁華街の中にある薬局へ向かう

精神疾患薬は劇薬指定されている分類のモノも多くあり、海外旅行の時には事前に調べておかないと「持ち込むには事前に申請手続きを」みたいに規制が掛かっている国もある

「医療用麻薬」は「麻薬」だから、当然だ

いつも通り「ありがとうございました」と言いながら、薬局の自動ドアをくぐる

「ああ、何食べようかな」と

空腹感は感じているのに「食べたい」という欲求が湧かず

「食べるモノを選ぶ」に「食べなかったら倒れる」「食べたら美味しいよね」と理性と記憶に頼りながら歩きはじめると

前方に、私の方向に歩いてくる、保護者だろう2名、小学校低学年くらいの男の子の姿が視界に映った

男の子は、両親のちょっと後ろで、満面の笑みを浮かべて、飛び跳ねるようにスキップしている

視界の中に入ってきて「存在」だけ認識して、すれ違った

”これ終わったら、ご飯食べに行こな~!!!”

すれ違いざま、男の子の上機嫌な声が耳に飛び込んできた

歩みを進める足が急にゆっくりになり、2~3歩で止まる

振り返って親子の行き先を確かめる

願いも虚しく、私がさっき通った薬局の自動ドアに吸い込まれていった

(薬は両親の分かも知れないよ?)

(平日の、この時間に子どもさんが居る…って事は、子どもさんの通院じゃない?)

(誰の分なのか?なんて確かめてどうするの?何も出来ない癖に)

色々な視点の声が頭の中で響く。最後の言葉に「そうですね」と自嘲する

きびすを返して、いつもの道を歩きはじめる

喫茶店に入り、注文を済ませても、頭から男の子の笑顔とスキップと声が離れない

あの子は「多動」なんだろうか。私は子どもを見慣れていない

”特に小学校の低学年のクラスでさ、全員が椅子に静かに座って先生の話をじっと聴いてる…って、そっちの方が不自然じゃない?”

以前「早期発見、早期養育が是とされて、3歳半検診で発達障害を疑われちゃう子どもさんが増えてるらしいですね」と私が喋った時に

苦虫を噛み潰したような声で話してくれた、懇意にしている、私よりずっと子どもを見慣れている支援者さんの言葉が思い浮かんだ

「何歳くらいになったら、このくらいの発達・成長は平均的にしていて当たり前」から外れたら、今は大人の眼差しが変わるらしい

毒を以て毒を制す

「毒」は、あの男の子の中にあるのだろうか

(両親の薬だったら良いなあ)

ふっと浮かんできた、自分の人間性を疑う願いを吐き捨てた

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