ASD者は人の顔がわかっていない?~顔の記憶がぽっかり抜ける、私の「その人」の覚え方~

あ、マサさん…え、居る?

スマホの画面を指でスクロールしていると、「登壇イベント開催されました」投稿の御報告文章と

イベントの参加者&主催者がサングラスを付けている集合写真が目に飛び込んできた

まあまあ見慣れた顔があるはず…だった。彼が居ない

その集合写真とは別の、サングラスを付けていない彼の写真を見て、もう一度集合写真を見る

あ、居た

ただし、私が彼と認識して、そう判断したのは顔ではなくて、彼が着ていた服だった

恐らく、全員が一緒の服だったら、本当に誰かわからなかった

思わず、ちょっとだけ自嘲気味に笑ってしまった

自分の顔の認識能力が乏しいのは体感上知っていた

人の顔がどうしても記憶に残りにくく、相当意識するか、何回も逢ってるかじゃないと「その人の顔」が頭に浮かばない

「この人の顔、かっこいい/可愛い」と思っても、思った事それ自体は覚えていて、肝心の「どんな顔」は覚えていない

にしても「彼の顔」は頭に浮かぶくらいには、記憶には存在しているのに

ぜひリアルで直接逢いたい!と思って、自分から「御逢い出来る機会あったら是非!」と言っちゃうくらいには

随分な存在感があって御世話になっている方なのに

サングラス付けただけで「その人」と認識が出来ないんだな、と

改めて「自分の顔の認識能力の低さ」を目の前に突きつけられた

これ、気持ちの問題じゃない

ASD者は「人の気持ちがわからない」「人に興味が無い」「コミュニケーション能力障害」「共感性が乏しい」「自他境界線が曖昧」

散々見聞きする言葉、昔も今も

発達障害の診断を受けた当初、「しんどい理由の理解」に躍起になり

脳科学や認知心理学の書籍を読み漁った

”「紡錘状回(顔領域)」と呼ばれる脳部位があって

そこや、その他の顔を認識する脳部位を損傷すると「相貌失認(顔わかんない)」という症状が出る”

私、このあたりの脳部位が機能不全、神経伝達が良くないんだろうな~…

”ASD者は「人の顔」と「物体」の注意の向け方に区別が見られない

(いわゆる定型発達者は「人の顔」に注意が優先的に働く)”

ああ、やっぱり、人への注意・興味が生来的に乏しいんだ

昔やっていた解釈、【事実から解釈した自分の真実】を思い出して「劣等感大きかったなあ」と回想した

顔の認識能力が乏しくて【悪い】のか?

人の顔に、無意識に、優先的に注意が向く事が【優位】なのか?

悩んでいた過去の自分に、そう問いたい

まあ、障害者を意識し過ぎた故の解釈だったんだけど

私が人を記憶する時「その人の言葉」や「エピソード」を自分に刻んでいるみたい

マサさんの事もそうだった

初めてオンラインで5分間程度のスピーチを聞いた時

彼の発した、この言葉だけ私は覚えていた

環境が整えば、人間どうとでもなるから

高い声してたか、低い声してたか全く記憶してなくて

(もちろん顔は言うまでも無い)

オンラインで逢えるよ、と誘われた時に

言葉だけ、そのフレーズだけ鮮明に難なく思い出した

1年は経っていたのに

ああ、あの人か。もう少し話聴きたいな

そう思えて、実際にオンラインイベントに参加する行動に移せたのは、彼を覚えていたから

何か私の「人の認識能力」に問題ある?(笑)

個人的にサングラス外していた方が格好良いと思いました~(私、顔の認識能力が乏しくて、サングラスじゃ誰かわかりませんでした…笑)

御本人にテキストメッセージで、用件ついでに「私の顔認識について」を伝えてみると

親指を立てているスタンプで返答が来た

いつも通りのラフな感じ

「発達・発育の成長/タイミングは人それぞれ」と常々仰ってる彼にとっては

「顔がわかりませんでした」なんて個人差の範囲内で

気にも留めては居ないだろう

問題視するのは、誰でしょう?

後書き

「顔を覚えるの苦手」は自覚していましたが、写真を見た時に、本当に誰かわからなくて

自分の感覚に多少の衝撃を受けて、この記事を書きました

ですが、実際に日常でも、さしたる支障はありません

声のトーン、髪型、背格好、喋る言葉、立ち振る舞い…

「その人が、その人足る構成要素」は顔だけではありませんから

自分や、誰かが劣っている解釈をしてしまっている方々に届きますように

この記事で書いている、顔がわかんなかった生態学者のマサさん

私の中で、人の発達・発育の事に関して彼の右に出る人は居ない、と思っているんですが

「みんなの保護者会(みんほご)」と銘打って月2回、ラジオパーソナリティーをしています

誰も教えてくれない保護者のなり方/やり方を一緒に考えましょ~(御本人も4人子育て中)

という想いで、学校外にも飛び出して色々活動している、こちらも子育て中、現役教員野崎先生(のざたん)と共に

話題の教育関係のニュース、子育て支援のニュース、現場で見聞きした事柄etc..を取り上げて

このニュース、どう受けとる?こんな現場/事件に保護者として直面したら、どうする?

を、喋っています

毎日毎日、飛んでもない量の情報が流れて消えている中で

「見出しだけ見聞きして、無意識に全部鵜呑みにしてる情報」ってあると思いますが

ちょっと立ち止まって考えた方が良いかも…?

昔の私みたいに「事実」と「事実を聞いた瞬間に解釈を混ぜ込んだ自分の真実」をごっちゃにして思考したり、行動したり、誰かに何かを伝えたりしてるかも…?

興味のある方、保護者のお二人と「ど~しよ~?」を考える機会になったら幸いです

リアルタイムでも、アーカイブでも配信しています

記事を閲覧している方々が特に興味ありそうなトピックを取り上げた「第2回」を貼っておきます

やたらマスコミ各社が報道していましたね…お二人が深堀りしています

お二人の切り口に何かしら惹かれた方はチャンネル登録をぜひ(みんなの保護者会)

公立の小中学生8.8%に発達障害の可能性 文科省調査(毎日新聞) 36:45~

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