ADHDの頭の中~こんなのだから大変です~

こんにちは。ゆらりです。

考え事をしながら冷蔵庫を開けた瞬間に、何を取り出そうとしたかわからなくなっていた事はありませんか?

私は毎回確実にわからなくなります。だから考え事しながら冷蔵庫を開けないようにしています。絶対にわからなくなるので。

【忘れた】というよりも【記憶が無くなった】と表現した方がしっくりときます。

思い出そうにも、記憶から無いので頭の中から何も出てきません。

頭の中にブラックホールがあるんじゃないかと本気で思っていた時期もありました。

これは前頭前野にあるワーキングメモリの容量が少ない事が主な原因なんですよね。

発達持ちの方(特にADHD傾向の方)は悩みの種だと思います。

ADHD傾向の方の脳は前頭前野以外にも、定型の方(多数派)と比べて働きに違いがある脳部位があるようです。

そしてどのように違うかのパターンがそれぞれなので、特徴(症状)も様々になるようです。

その脳部位の機能をまとめてみました。困り事は努力不足や甘えが原因では無くて、脳機能が原因かも知れません。

理由がわからないまま、必要以上に自分を責めていませんか?

読んで頂いた方の「むやみに自分を責めない為の理由付け」の助けになれば嬉しいです。

前頭前野

情報を統合して行動を調整する脳部位です。

簡単に言うと「色んな事を考えて次の行動を決定する」所です。

パターン通りでは対処出来ない時に、状況を把握し、適切な判断をする。そして、その判断を基に行動する、という役割を担っています。

どのような事をしているか箇条書きにすると…

  • ワーキングメモリー(現在進行形の記憶、マルチタスクを担う、数秒~数十秒間だけ必要な事をメモする所)がある
  • 反応の抑制(不要な情報を意識させない、という役割)をする
  • 行動の切り替えをする
  • プランニング(計画立て)する
  • 推論をする
  • 自分の気持ちやモチベーションを基に、次に何をしようか決定する
  • 葛藤の解決をする
  • 社会的行動をする(本能のままに行動しない)
  • 報酬に基づく選択する

帯状皮質

思考の処理や感情、努力して行う活動に関与している(という研究報告多数)。

頭頂葉皮質

感覚や空間情報を処理する主要部分。ワーキングメモリーにも関係している。

大脳基底核

ある行動や習慣を学習する時に前頭前野と共に働く部分(と考えられている)。

小脳

運動協応性、注意力、情動や認知機能の遂行に関与している。

最後に

出来ない、自分が悪い…と自分を責めていた方、脳機能に困り事の原因がありませんでしたか?

更に、ADHD傾向の方はドーパミンとノルアドレナリンという脳内ホルモン物質も上手くは働いていません。

この事も日常に支障をきたす原因の一部となっています(詳しくは別の記事で)。

「やりたくても脳機能が原因で出来ないんだ」と思える事で、少しだけ気分が晴れて頂けたら嬉しいです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

参考

渡邊正孝 前頭前野 脳科学辞典 DOI:10.14931/bsd.1657 (2013)

芋阪満里子,脳のメモ帳ワーキングメモリ,新曜社,2017

クレイグ・サーマン他,福西勇夫他(監修),村木美紀子(訳),ハーバード式大人のADHDパーフェクトガイド,法研,2018

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